C-10 腱鞘炎

質問
知人が腕の腱鞘炎で仕事に支障を来たしてしるそうで、整体でなんとかなりますか?と。 ステップ2のテキストみて、多分いけると思ったのですが注意点とかありますか?
あと、星状神経節はペインクリニックでは前面から針を刺すそうですが、前回の講習で僧帽筋第一TPを深く処理すれば同じような部分にアプローチ出来ると考えていいですか?
なんだかあの時聞いていたようでしっかり聞いていなかったみたいで…

 

回答

腱鞘炎ですね。「腕」とのことですが、漠然とし過ぎていて、狙いどころを指摘できません。
では、まずこうされては如何でしょう。
クライアントから、何処が痛いかを漠然とではなく、具体的に聞いてください。
手首なのか?指なのか?手首ならどの部分か?指なら何指で何処の部分が痛いのか?
それで確定できましたら、ステップ2のテキストにしたがって、その部位へ痛みを送るTPを頭にいれてください。
ドンピシャではないかもしれませんが、そういう場合は近いところを複数候補。


腫れが見られる場合は間違いなく「腱鞘炎」と考えて良いのですが、それでもTPが関与している可能性が高く、その処置によって早期の治癒が望めます。


そして、質問にもありますように、星状神経節の興奮を緩和することによって、これもまた早期の治癒が望めるでしょう。
w効果で腱鞘炎は整体適応です。(リフレパシー整体なら)

 

さて、星状神経節興奮の鎮静化ですが、おっしゃるとおり、僧帽筋第1TPと肩甲挙筋CTPが鍵になるでしょう。この部位をよく緩めてください。


その他には斜角筋の短縮膨大もまた星状神経節の興奮に関与しますから、横向きor仰向けにてその処理を入念に行ってください。
その他、首、肩全般を緩めることは言うまでもありません。
(親指なら上腕筋は必須ですよ)

 

C-9 痛みがぶり返す

質問
早速ですが、痛みのデパートの方、いつもと変わった事はしていないのに、腰の痛みがズキズキするとの事ですね。このように痛みがぶり返すような事はありますか?
もしかしたら、天気や気圧の関係かもしれないとは伝えたのですが…
施術箇所が間違っていたのでしょうか?
腸腰筋の骨盤についている箇所や恥骨の横は痛がっていらっしゃいましたが…よろしくお願いします。

 

回答
手強い症状というのは一本調子で良くなっていくものではありません。
 一旦、良くなったと思っても悪化したりすることもあります。
 (メンケン含め)
 或いは、ある一定以上の改善がピタリと止まったり・・・
(改善効果の「踊り場」と呼びます)
 
いずれにしても、なんの問題もなく改善し完治していく、という方が珍しいくらいです。
 勿論、自分自身の技術の未熟さかもしれない、と謙虚に反省することは必要ですが、施術の再検討をしても、特に瑕疵がないようでしたら、行ったり来たりのジグザグパターンなんだな、と認識して取り組むことも重要です。
 
それにどういう生活スタイルをされているか正確には分からないですよね。
 (クラアントはウソをつくわけでなくとも、正確に伝えてくれないことが多い)
 
つまり少し良くなって無理したりする例はよくあるということ。そういうのが原因でぶり返すこともありますよ。
 

さらにご指摘ように天候、気圧が症状の憎悪に多大な影響を及ぼす場合もあります。
気圧の大きな変化もまたトリガー活性or不活性の原因となり得ますから。
 
結論。
平常心で施術を継続してください。
よき経験だと思いますよ。必ず直面する問題でもありますから。
 

C-8 腸腰筋からハムストに響くのはあり?

質問

早速、腰痛、坐骨神経痛が主訴のクライアントさんを施術させて頂きました。「結果名人」のごとく施術前の気の毒な前傾姿勢が軽快な寝返りをうって驚いていらっしゃいました(^^)

その方の腸腰筋を押したらハムスト辺りに響くと言っていました。関連痛にはないので間違って押したのかなぁ?それとも損傷伝導系なのかなぁ~?いかがなんでしょうか?

(東京都 Tさん)

 

回答

なるほど、結果的に名人並みの成果が出たわけですね。
ふむふむ「結果名人」・・・大変よろしいじゃないですか。


さて、腸腰筋でハムストに響くとのことですが、こういう事例はしょっちゅうありますよ。


テキストでの関連痛は再現性のあるもの、普遍性のあるものだけが記載されているわけですが、勿論個人差というものがあります


腸腰筋からハムストに響いても個人レベルでは何ら不思議ではありません。中には足裏を圧して「頭のてっぺんに響く~」という方もいらっしゃるくらいですからね。


そしてその考え方は「TP関連痛の変動系」と考えるよりはおっしゃるように一括して経絡の「損傷伝導系」と考えたほうがスッキリします。


こういう現象はこれからも経験すると思いますが、むしろ治癒機序の一環として好ましいものだという認識で取り組んで下さい。
(ま、自信を持ってということで)

C-7 変形性膝関節症

質問

変形性膝関節症の方に対して有効な施術方法・ポイントがあればお教え頂けませんでしょうか。人口靭帯の再建手術を受けているようなので、どこまで何ができる(していい)のか(もしくはできないのか)がよくわかりません。
膝の痛みが酷いようなので、少しでも緩和できる方法があればと思っています。フット・マニで対応できる事でしょうか。

 

以下、クライアント(友人です)の情報です。

41歳女性。左足の変形性膝関節症。
高校一年の時、バレーボールの部活動中に前十字靭帯を断裂。
一ヶ月のギプス生活後、半年のリハビリを経て復帰したバレー練習中に膝の中を再度損傷。
ギプス→リハビリ→復帰→再々度損傷。
内視鏡手術で半月板の一部を取り除く。
その後の高校生活はバレー部も退部し、運動を控える。

大学での新入生歓迎バレーボール大会で再度膝の中を損傷。
そのまま人工靭帯の再建手術を受ける(19歳)。
再建はしたが、スポーツからは遠ざかる。

2002年社会人ドラゴンボートサークルに入団(30歳)。
練習中のランニングやダッシュなどはできていたが、徐々に悪化していき、走る量を減らしていく。

ニ度ほど膝の水を抜いてもらう(時期不明)。
MRIにも入るが、変形性膝関節症との診断はなく、人工靭帯にずれはないと告げられる。

2009年頃から運動のため、徒歩通勤開始(30分弱)。
ボートの練習ではどんどん走れなくなっていく。

2011年冬、ボート練習後、膝に水が溜まる。
整形外科を受診し、変形性膝関節症と診断される。膝の形は以前から既に同じだったと本人談。人工靭帯にずれはないと言われる。

現在はシップとサポーターが必須の生活。
左膝が内側に出っぱって来ているので歩くと内膝が痛い。
変形が酷くない頃は膝全体が痛かった。
昔から歩くと痛みはずっとあったが、十分我慢できる程度だった。
現在は調子の善し悪しにもよるが、痛む時はかなり歩行が辛い。

現在は、病院でヒアルロン酸(スベニール)を定期的に注入している。
膝の中のごみを除去する手術の話を勧められることもあるが受ける気はない。
半月板は「すり減っていて、もうないかもしれない」と医者には言われている。

という状況です。
先生、ご助言をよろしくお願い致します。

(東京都 Kさん)

 

回答

なるほど、変形性膝関節症の典型だ。
個人的に、こういうクライアントさんを診るのは嫌いではありません。というのは、年齢的にまだお若いではないですか。復元力or再生力、つまり自己治癒システムの働きはまだ充分に期待できると思うからです。

 

詳細に渡る経過を書いて頂いていますので、頭の中にくっきりとイメージが湧きますね。
こじらせるにいいだけこじらせている風ですが、未だ大丈夫!
今まで正しい対処をしていなかっただけですよ。

 

ただし、このままいくと悲惨な中年期から高年期、そして老後を迎えることは確実です。Kさんのような友人がいて、この方、大変幸運だったと思いますね。


さて、対処法!
まず、明らかな関節症であったとしても、そこに痛みがある以上、TPが関与していることは間違いありません。
その関与度合いは3割~7割に及びます

 

つまり、TP処理が完全に為されれば、痛みは少なくとも3割減、場合によっては7割減くらいになるということです。
ですから、いつの場合もTP処理が優先されるわけですよ。
(膝痛のTP処理はSt3で勉強しましたね。よく復習して臨んでください)

 

そして、勿論、TP処理と同時に関節に対するアプローチも必要です。(関節症なんですから当然です)

 

では関節に対するアプローチはどうするか?ということになるわけですね。

 

実は、関節アプローチはパーカッション・ハンマーが一番向きます。
でも、手元にないですよね。

 

その場合はツボを使ったり、ゆっくり関節そのものを動かすという技法を使うことになります。
ツボは膝のスーパートリガーと言われている委中、特鼻、内膝眼、外膝眼などの押圧、特に膝裏はしっかり緩めると・・・

 

そして膝の動かし方ですが、無茶するとかえって傷めてしまいますから最初はゆっくりと動かしてください。
(フットマニで股関節を動かしましたね、そのとき膝も一緒に動くわけですから、それを応用します)

これは何をしたいかというと関節の中の潤滑なんです。
潤滑させることによって、復元力が働きやすくなりますから、痛がらない程度にやって頂きたいと思います。

(加減が難しかったり、力が必要だったりするので、パーカッション・ハンマーが良いんですよね。メモリを5~6くらいに合わせて内側半月板からかけますとしっかりと潤滑されます。ゆくゆくはハンマーの購入も考えたら良いと思いますよ。施術が楽ですから)

 

そして、質問にもありましたようにフット・マニピュレーションも有効です。
いきなり膝からきちゃったケースですが、それでも足首、股関節の自由度を促進させる意義はあるわけです。
膝の痛みに気をつけながら、フット・マニも併用されると尚良いでしょう。

 

さて、このようにTP処理によって3割~7割ほど痛みを減らし、関節アプローチ(潤滑)によって復元力を働かせ、フット・マニによって膝の負担を減らすと・・・・これ以上、施術家としてできることはありません。

 

あとはどのくらいの頻度でそれをやるか?という問題になるでしょう。
頻度は多ければ多いほど良いのですが、現実的には週ニくらいでしょうか。
週ニでも厳しいということであれば、最大妥協して週一ですね。

 

このケースではそれ以上間隔を空けないほうが良いですよ。施術効果が元に戻って無駄になってしまう可能性大ですから。

 

変形が治るかどうか?
これは正直分かりません。
内側に凸ぱっているわけですよね。
ここまで来てしまうと中々難しいかもしれません。

でも変形が治らなくとも痛みはなくなります。
例えば、外反母趾。変形はあるけれども、特に痛みがない、というケースはザラにあるでしょ。

今は少なくなりましたが、高齢者の腰曲がり。あれは腰椎の変形ですが、痛みを伴うことはまずありません。

ある時点で症状が固定されると、それに適応するのです。

そうしないと、高齢者は痛みで気が狂うことになっちゃいますからね。身体っていうのはちゃんと上手く出来ているものです。

 

我々が介入できるのは、痛みを早く止めて、痛みの悪循環を防ぎ、進行をストップさせることです。

あとは母なる自然の仕事に任せるより他ありません。

 

健闘を祈ります。
そして大いに成果を挙げ、感謝されまくってください。
きっとお酒をおごってくれるに違いありません。

C-6 烏口腕筋の施術

質問

実は明日夜に腕と手指のしびれを症状にもった方(職業はシェフ)の施術を行ないます。ちょうどメルマガにあった烏口腕筋のアプローチ方法を確認させて頂きたくてメールしました!

 

右腕肘下から尺骨沿いに、小指・薬指・中指の途中くらいまでにしびれを感じているようで、鍼(&整体)に2-3回通ったがあまり効果を感じられず、少しは軽くはなったが今度は右腕の中心線に沿って感じるだるさ・重さが気になっているとの事で、先週一度目の施術を致しました。

 

痛みは、手のひら側の小指・薬指から尺骨に沿って腕の内側が肘の下くらいまで痛むこともあれば、反対側の甲側でやはり尺骨沿いに痛みがでたり、と鍼を受ける度に、毎回痛むところが変わっている様子で、私が施術する際には上記の通り、腕の中心がだるいという症状でした。

 

斜角筋、小胸筋、小円筋、蕀上・蕀下筋、首肩周りを施術し、特に響いていたのは小円筋、蕀下筋あたりでした。翌日は全然楽で軽くなってきてはいるという話でしたが、二日目には今度は小指から尺骨沿いに手のひら側~肘までのラインがしびれると言っていました。


タイムリーに先生の鳥口腕筋の記事がアップされておりましたので、是非施術方法を確認させて頂きたく、よろしくお願い致します。
仰向けで、烏口突起から烏口腕筋に沿って圧を入れていけば大丈夫でしょうか?注意点などあればお教えください。

よろしくお願い致します!

(東京都 Kさん)

 

回答
尺骨沿いですか・・・・
経絡でいうと心-小腸経。
真ん中のダルさ、ということであれば心包-三焦経も問題になりますね。
ま、経絡は普通にゆっくり持続圧をすればちゃんと反応はしますから、さほど気にかける必要はないでしょう(施術の基本を大事にすれば・・・)前腕部の施術を着実に決めてください。


あと、尺骨側ということであれば「上後鋸筋」が関与している可能性もあるので、ここも忘れずにね。
あとはKさんが列挙した筋群へのアプローチで問題ないでしょう。
楽にはなると思いますよ。

 

さて烏口腕筋。
頻度が非常に多いというわけではありませんが、メルマガ(新-整体随想)で記したとおり、主訴の主原因だった場合、改善が大幅に遅れてしまいます。
やはり、ひと通りはやったほうがいいでしょうね。


烏口腕筋は平面図だけで位置を確定しようとしても結構難しい配置になっています。
どちらかというと脇の真下なんですね。
くすぐったくないように脇の下に指を入れて押しますと、独特の響きのあるしびれ感が起きると思います
(自分で自分の脇の下を押してみてください)


それが腋窩神経なんですが、これが目安になりますよ。
烏口腕筋というのは腋窩神経と絡み合っているような感じで存在しています。
(だからこそ、TPの二次災害としてシビレが起きる可能性があるのですが)
そのポイントを外さないようにしてください。
クライアントを仰向けにした状態が一番やりやすいと思います。


響きが残ると不快に感じる人もいますので、それから前腕処理に入って、残響を取り除くと・・・そういう順番で施術してください。
職業はシェフということで、首~肩~腕には負担をかけていることが分かります。
入念に緩めていけば、きっと楽になって、腕にヨリをかけた料理をご馳走してくれるに違いありません。
食べ過ぎて太らないようにしてくださいね。

 

PS

料理人症候群、つまり上部広背筋TPもお忘れなく!

 

C-5 子宮内膜増殖症

質問5

クライアント様から以下のようなメールを頂きました。

兼ねてからの子宮内膜増殖症が再発して、8/1から生理が止まらなくて、先々週木曜日に婦人科受診し、ピルを服用していったん出血をとめて、ピルをある程度服用することで、足りないホルモンを補い、休薬すると再びちゃんとした生理が来るという治療を選択し、いま、再出血していますが、内膜がかなり厚かったのもあるのか、一昨日からの出血が半端ない量で、明日の施術はどんなものかとちょっと気になりまして

この方は今年1月からずっと毎月1度通って来ていただいている方で、自分の施術自体には不安は感じておられませんが、最近は一度に500グラムほどの出血があるので、施術時にシーツを汚しはしないかという心配をしていただいておりました。

またクライアント様より「子宮内膜増殖症と甲状腺機能異常の関連性」について、ご質問をお受けいたしました。というのは、このクライアント様は元々脳下垂体性の甲状腺低下症があるのですが、3年前に子宮内膜増殖症を発症して手術する時には、精神的なストレスにより、甲状腺の亢進状態になってしまっており、知らずに麻酔をかけてしまい一時的な心不全に陥ったそうです。それから子宮も甲状腺も小康状態が続き、今回6月に増殖症を再発されたのですが、ちょうど時を同じくして、脳下垂体から出る甲状腺機能を抑えるホルモン(TSH)が数値に現れなくなった(脳下垂体から出ていない)のも6月になってからだそうです。
甲状腺ホルモン(T3・T4)自体は数値は正常とのことですが、このTSHが出なくなったことで甲状腺機能が亢進し、黄体ホルモンや卵巣ホルモンの分泌に悪い影響を与え、
結果子宮にダメージを受け増殖症になってしまったのではないかと推測されています。

ということで以下の質問です。


○今回の場合、甲状腺と脳下垂体にアプローチするような経絡反応を起こす施術が特に必要かどうか?

 

○その場合、実務的にはどの部分を重点的に施術すれば良いか?

(バセドーは心包-胆経、卵巣は脾経、子宮・脳下垂体は膀胱経という漠然とした所しか分からず・・・甲状腺は肝経だったでしょうか・・?)

(広島県、Fさん)

 

回答
子宮内膜増殖症ですか・・・
内膜症はけっこう手がけていますが、増殖症はさほど症例がありません。
 
それでも2例くらいはありますか。
2例とも、普通に施術しましたよ。
基本的に出血性の病は禁忌若しくは不可というのが原則なのですが、増殖症の場合は、出血性といっても、むしろ、生理時の瘀血出しみたいに考えたほうがピンとくる病態だろうと思い、構わずやりました。
 
結果的に不都合は生じませんでしたね。
1名はほぼ完治。もう1名は途中で来なくなりましたので、分かりません。
 (来なくなった方も途中経過での不都合はありませんでしたよ)
 
おそらく、普通の指圧やマッサージではダメでしょう。
 
本当に基本に戻って、ゆっくり持続圧を繰り返し繰り返し全身にかけていきますと、理屈では説明できない身体の調整機能が働きます。
ご存知、これを経絡反応と言いますね。
この経絡反応は行き過ぎを制し、不足を補う反応ですから、出血は少し増加するものの程よいところで止まるわけですよ。
 
出血が多すぎて、例えば、下着に滲み出るくらいだというならば、これは本人嫌でしょうから、無理に来させるというものではありません。
本人がそういうことを気にしないのであれば、多少出血が多くなったとしても施術したほうが良いでしょうね。
 
増殖症は外傷とは違って身体内部の問題なわけですね。この調整を取れるのは、身体自身の力しかありません。
つまり、経絡反応によって、調整を促すより他ないのです。
 
増殖症はガンにもつながりやすい病態ですので、我々の守備範囲のうちに予防を兼ねて手がけたらよろしいかと思います。
 
さて、私のクライアントは甲状腺とは関係ありませんでしたが、内分泌系は全部繋がっていますからね。
下垂体→甲状腺→増殖症、或いはそんな方程式というよりも渾然一体となって、調整機能が弱化しているのかもしれません。
いずれにしても、甲状腺異常があってもなんら不思議ではありません。
というか、はは~ん、なるほど~という感じです。
 
経絡的に何処か重点になるか?ということですが、厳密に考える必要はないです。 経絡というのは、損傷伝導系ですから、何処を圧しても、その人の調整が必要なところに届くことになっています。
とはいっても効率の良い部位があるので、その部分は自分で探さなければいけません。
だから経絡治療というのは難しいのですよ。
単純に考えればホルモンは腎経支配が強いし、甲状腺は肝経だし、子宮は脾胃でしょう。でもその中の何処?ということになると個別でしょうね。
 
足だと絞りやすいですよね。踵の脾経はまさに子宮の反射区だし、湧泉は腎経だし、甲状腺の反射区はそのまま肝経だし。
そういう意味で足を取り入れても良いのかもしれません。
 
経絡は中々スパっと割り切れるようなものじゃないわけですよ。
 
で、実務的にはどうするか?
 
基本手技の中でTPを見つけると、それはそのまま経絡上の虚のコリなわけですから、当然そこを重点にしながら、経絡が働くことを意識して、全身に経絡反応を起こしていくと・・・そういうことに尽きるわけです。
 
簡単なことなんですけど、病も難治系になると、閾値の許容範囲が狭くなりますから、ちょっと難しくなるでしょうね。
 
だから、ゆったりとした平常心で臨むことが絶対条件になるわけ。
 
事ここに至ると、小手先のテクニックというよりも、或いは重点部位というよりも、心の有り様と如何に「支え圧」を使いこなせるか、という浸透力の問題になってくると思います。
難病系はこれ全部共通します。
 
でも一ヶ月に一回はちょっとキツイな。
 (そう思うこと自体、邪念だけどさ)
 
まあ、出来るだけのことをやるしかないでしょうね。
 
本当に経絡反応を起こせると、想像以上の効果がありますよ。
時として「驚嘆すべき」とか「仰天の」とかいう形容詞が付くくらい。

 

C-4 施術中、坐骨神経痛が悪化したケース

質問4
施術中に症状が悪化してしまうことってありますか?
坐骨神経痛で左足外側~足裏(土踏まずの内側)まで痛みがあるクライアントさんを施術しました。夜ずっと仰向けで寝ていられないとのこと。
初来店が7/7で40分の施術をしました。(うつ伏せ)臀部~ハムスト~腓腹筋・ヒラメ筋~腰方形筋~(横向き)臀部~外側広筋の施術をして、その時は”楽になった”とのことでした。施術した感じでも、梨状筋にはあまり反応がなく、小臀筋症候群のようでしたから、効果が出やすいかな、と期待していました。


で、本日(7/19)2回目の来店です。前回の感想を聞いてみたところ、施術後楽になり、2~3日は効果が持続した、とのことで安心しました。今回も40分の施術だったので、前回同様(うつ伏せ)臀部から。ところが、うつ伏せで右脚を施術している途中で体勢が辛い(左臀部の真ん中あたりが辛い)とのことで、体勢を変え横向き(左)臀部~外側広筋、また体勢が辛い、とのことで、再度うつ伏せ今度は腰方形筋、臀部(左)を施術しました。、、が、施術後、やっぱり臀部が痛くて、歩けないかと思うほどだと言われました。施術前より辛いとのことで、時間を延長して臀部と腰方形筋を体勢を変えながら施術しました。

 

が、”さっきよりはいくらか楽だが、来た時より辛い”とのこと。これ以上どうしたらよいかわからず、今日のところは好転反応の説明をして、休むように伝えました。


今回のケースは、好転反応(もしくはメンケン反応)と考えてもよいものなのでしょうか(施術中から悪化することがあるのでしょうか)?
そうでないなら圧が良くなかった、もしくは部分的な施術になってしまったことがだめだったということなのでしょうか?
初回は改善がみられたのに、2回目で悪化というところにも疑問を感じます。
次回来店された場合、どう対応するのがよいでしょうか?

長い質問ですみません。よろしくお願いします。

(青森県 Sさんより)

 

回答
なるほど、1回目の施術で楽になっているのに、2回目の施術で悪化したと・・・しかもそれが施術の最中に起きてしまった・・・なんで?というところですね。

(わけが分からない!)と内心パニックになりそうなケースです。

 

実はこういうことは、よくあるという程ではありませんが、あるにはあるんです。
私は皆さんが出くわす大概のケースには遭遇しておりましてね。
(だからセンセーなわけですけれども)

 

どうしてこういうことが起きるのか、明確なエビデンスを挙げて説明することはできません。しかし、施術にだいぶ慣れてきて実績が出てきたころに遭遇しやすいものです。
あたかも「施術っちゅうもんはそんな甘いもんやおまへんで~」という天の声であるかのように。

 

逆に言うと上手いことできている「天の配剤」かなとも思えるのですが、実際、そういう場面に直面した施術家はそんな悠長なことを言って鷹揚に構えていられないでしょうね。よく分かります。


さて、対処法ですが、「もう一度仕切り直しして、基本に戻ってみてください」としか言いようがありません。


私がしつこいくらい、ことあるごとに「平常心で臨め」と言っているのは気持ちに焦りがあったり、不安があったり、奢りがあったりするとパフォーマンスが低下するよ、という意味なんです。


それはおそらく微妙に力が入ったり、体勢への配慮が足りなかったり、という物理的な失敗要因ともなるでしょうし、或いは、「気」というやや形而上の問題から起きるのかもしれません。いずれにせよ、そういう現象に遭遇にしたときには「基本に戻る」良い機会だと捉えてほしいのです。
少なくとも私はそう捉えて乗り切ってきました。


特にトリガーアプローチというのはその人のその症状の原因のど真ん中に手を突っ込む手法です。
そこは「弱点」でもあり「虚」でもあるわけです
人はあからさまに「弱点」を暴かれたり、「虚」を衝かれたりすると無意識に抵抗するものです。その無意識の抵抗が「症状の悪化」という形で顕在化したって不思議ではないじゃないですか。

 

無意識の抵抗を生まないように、古人は「鍼は打つのではなく沈めるのだ」と言い伝えてきました。これは鍼の世界での格言ですが、手技も全く同じで、指や肘で押すのではなく、それらを沈めていくようにしなければなりません。


はやる気持ちを抑えて、ゆっくり、静かに、沈めるようにアプローチしていくのです。

 

そんなふうにしなくても治るケースのほうが圧倒的に多いのですが、時として、まるで初心を思い出させるかのような症例に出会うのですから「天の配剤」とは言い得て妙だとは思いませんか。

 

ま、「案ずるよりも産むが易し」ですよ。診断及び施術部位はおそらく間違っていないでしょう。私も小殿筋症候群+ふくらはぎTPの症例だと思います。
あとは施術家の心の投影の問題となるはず。


焦らず、臆せず・・・恐怖心もなく功名心も保身もなく、平常心で。
リフレパシー整体はそこら辺の似非整体師ができるような施術ではありません。
そういう意味では自信を持って、背筋を伸ばして堂々と迎え入れてください。
きっと好転していくことでしょう。

 

※このケースはメンケン反応と言っても間違いではありません。なぜなら悪化した症状は治まっていくはずですから。しかし、上級者ですから、それで済ましたんじゃ面白くないでしょう。もう一段上の階層からの視点を入れて解説しました。

 

C-3 夜尿症について

質問3

クライアント様より以下のような質問がありました。

「子供(小学一年)の夜尿症を治してやりたいのですが、そちらで改善策がありますか?漢方薬も試しましたが、ある程度効果があったものの長続きしませんでした」

先生のテキストにて、「下部腹筋のTPから夜尿症が引き起こされる可能性がある」とありました。ですので、この筋肉に原因がある可能性もあるので、ここアプローチをかけることで改善する可能性がある、ということで施術の方向でこの方にメールを返信してみようとも思っています。何ぶん初めての症例ですので、他に注意するところがありましたら、教えていただけたら幸いです。

 

回答3
確かにDr Travell&Dr Simonnsの研究によると腹直筋下部(場合によっては腹斜筋も)のTPが執拗で頑固な年長者の夜尿症の原因となっている場合があるとのことから、テキストに引用しました。これは子供の年長に限らず、大人でも当てはまるらしい。


さて、私は夜尿症という単独症状を治してくれ!と頼まれたケースはありませんが、後で子供の夜尿症の癖がすっかり治ったと感謝されたことはあります。子供には腹証がよく効きますので、按腹を取り入れた施術だったと思います。増永先生の切診の手引きによると、夜尿症(寝小便という表現ですが)は「胆実膀胱虚」の項に分類されていました。なるほど、腹証が効くはずだわなぁ、と納得した覚えがありましたので、腹筋下部のTPによっての夜尿症は、さもありなん!とさらに納得した次第です。


古典でも夜尿症に効くツボは「大巨」「関元」「中極」としています。(いずれも下腹部に位置しています)

 

TP理論、増永経絡、古典ツボ療法のいずれもが同じ部位に原因を求めているのは偶然の一致とは思えません。

 

漢方については専門外ですが、もしその子が喘息を患っているなら「麻杏甘石湯」(まきょうかんせきとう)が夜尿症の特効薬になり得るそうです。しかし、喘息でなければ効き目が全くないそうですから、漢方は証が命とはよく言ったものです。
いずれにしても漢方薬は門外漢なので、この部分について口出しはできませんわね。

 

また、夜尿症の根底には冷えがあると言われているので、身体を充分に温めるような施術を心がけると良いのではないでしょうか。特に腰や仙骨などの冷えはよろしくありませんから、よく施術してあげると良いと思います。
子供への圧の加減は結構難しく、痛がらない程度にやるしかありません。嫌がると良い結果に結びつかないのは大人よりも極端です。

 

精神的な問題も大きいと聞きますが、これは児童心理学の分野ですから我々は踏み込むべきではないでしょう。

 

C-2 圧の閾値について

 

質問2

クライアントに与える圧の閾値、深さについて時々悩みます。 ある程度の刺激、深さを与えなければ効果が半減してしまう一方、刺激や深さがその方の許容範囲を超えてしまうといくら結果良くなると分かっていても足が遠のいてしまう方がいらっしゃるのも事実。 

人により感じ方は様々で同じ人でも体調によって受け取り方が様々なことから、その難しさを日々感じています。 

先生はこの点についてはどのようにお考えでしょうか? 

(神奈川県 Mさん)

 

回答2

この問題は初学者、中堅、ベテラン問わず、何度かぶち当たる壁のようなものですね。

  

健康ランドや温泉、その他リラクゼーション施設の施術者はあまり悩むことはありません。 

何故なら、結局、強い圧を好む人達がリピーターになってくれて、そもそも"痛がり"はお客にならない、ということを知っているからです。 

ですから、彼らが最も恐れるのは、お客から「効かねぇなぁ、もっとしっかりやれ!」と言われることであって「強すぎる!」と言われることはあまりないそうで、仮にあったとしても、深刻に受け止めないらしい。 

 

逆にオイルマッサージ系のリラクゼーション施術者は痛いと言われるのを恐れる傾向があるようです。 

 

同じリラクゼーションでも手技の性格、方向性によって客層が変わってくるわけですから、施術者の刺激の強さに対する考え方が違ってくるのは当然でしょう。 

 

さて、我々のような症状改善を標榜する、所謂「治療系」ではどうか?ということなのですが、これも様々な流儀、考え方があります。 

 

とてつもない痛い施術をする流派もありますし、その対極にある「無痛なんたら整体」というのもあります。 

 

このように治療系だからと言って一律に痛い!というわけでも無痛!というわけでもなさそうです。 

 

他人事のように書いてますが、この問題は私にとって決して他人事ではありませんでした。 

その証拠に2002年、医道の日本という東洋医学系専門誌に「手技療法における最適刺激閾の研究」と題して小論を発表したことがあります。

 

10年以上前の拙論ですから、今読み返してみると、少し気負いが入って気恥ずかしい部分もありますが、概ね、現在の考え方との乖離はないと思います。

 

その趣旨は圧"力"という要素に圧"時間"という要素を加えてみると、最適刺激閾を容易に見いだせるとしたもので、要するに安定持続圧を使えば、刺激量のコントロールができるよ、という内容なのですが、あくまで論文ですから、分かりやすいようには書いていません。その論文をここに掲載してもチンプンカンプンで時間の無駄になると思いますので、掲載しませんが、興味のある方もいるでしょうから、そのうちHPのどこかに転載しておきたいと思います。

 

さて、その頃、そういう論文を書いたということ自体、深刻に悩んでいた時期があったとう証左でもあります。

 

質問者がおっしゃるように、閾値に達せねば、確実に施術の効きは悪くなります。しかし、痛みの感受性の高い者には耐え難いものになりますね。これもおっしゃる通りです。

特にリュウマチ系の人は痛がるかもしれません。

 

して、私はどのように解決したのでしょうか?

 

単純なことです。聞きます。痛かったら仰ってください、と。それとジャンプサインのような逃避行動を見逃さないようにします。

 

ジャンプサインは真性の虚のコリですから「虚を突かず」の原則にしたがって、手当(正確には指当、もしくは肘当になりますが)の要領でじっと温めるように持続圧すれば閾値の問題は解決しますし、不要な痛みも与えないで済みます。

 

どこまでの力加減で行えば、閾値に達しているのか?という根本的な疑問もあるでしょう。

実はこの問題はすでに増永静人師が解決済みです。

 

師がいう支え圧(患者に軽くもたれる)を忠実に実行して行きますと、施術者の身体そのものがフィードバック装置となって"ここまでは最低でも入れないと、閾値に達しない"ということが分かってくるようになるわけです。(これは絶対に分かってくる感覚です-経絡反応を感じ取る感覚でもありますから)

 

それですら痛くて耐えられない!ということであれば、極端な漸増圧を使って、ゆっくり沈めていくこともやります。(だから"痛がり屋さん"の施術は中々大変なのです)

 

それでも痛くて耐えられない!という方・・・・

(極めてレアケースです)

「まことに気の毒な体質です、私にしてあげらることはありません、とっとと帰ってください」とは言いません。

現在は、パーカッション・ハンマ-がありますからそれを使うことが多いですね。HPのどこかにパーカッション・ハンマーだけを使って超過敏な女子高生の脇腹痛を治した経験談を書いていると思いますが・・・

 

TPは振動にも反応しますから、いよいよになれば、それの出番ということになるでしょう。

Pハンマーは関節、骨膜のみならず、そういう使い方もできるので便利です。

 

そこまでの人はレアケースなのですが、一番怖いのは、初学者が最初にそういう人に出会ってしまって、圧をかけることに対するトラウマが生まれてしまうことです。

 

相手が痛がっているのに、何の反省もなく施術するっていう感性も問題ですが、逆に必要以上に恐れてしまうと、上達を酷く遅らせてしまうことにもなりかねません。

 

しっかりと支え圧をマスターした後に、"痛がり屋さん"対策を考えていくほうが結果的に良き施術家への近道になると思います。

 

※支え圧というのは、力むことなく、かつストレスなく、相手にもたれかかるようにして重心を移動させる方法なのですが、それによってしか圧は浸透しませんし、経絡反応も起きづらくなります。そしてこれが完璧にできれば"痛がる人"は少なくなるでしょう。ましてや脂汗が出るほど我慢しなければならないという人はレア中のレアケースになると思います。

しかし、全く圧の加減をしていないか?というと、そうではなく、微妙、かつ微細な加減で対応します。しかし、それは意識的というよりも本能的なものに近い加減でしょう。

身体自体がフィードバックセンサーにならなければそういうことはできません。どうすればできるかといえば「支え圧を使うのだ」というふうに話が円環しブーメランのように戻ることになりますね。加減というのは"もたれ方"の度合いと圧面積で行い、決してパワーの強弱でやってはいけないという原則があって、これを守れば、効かせながら、限度を超える痛みを与えることはありません。それでも・・・それでも超過敏の人がいれば、それはそのとき考えると・・・(Pハンマーを使っても良いですし)

 

重複しますが、最優先は支え圧のマスターで、話はそれからですよ、ということになりますね。

 

余談

支え圧というのは実に簡単なんですが、非常に難しい。日頃、シンプルであるがイージーではないと述べている所以です。でもここから逃げると中途半端な施術者になりますよ。少なくとも治せる一流どころの整体師からは遠ざかっていきます。

 

 

C-1 他手技との併用について

質問1

武田先生の手技法以外にいくつかの手技、手法を習っております。独自で混ぜて行っておりましたが、ダメな組み合わせややらないほうが良いことがあれば教えてください。また先生も独自で色々な手技を取り入れていらっしゃいますが、組み合わせる時の考え方や取り入れ方も合わせて教えていただけますか?(神奈川 Mさん)

 

回答

この質問は、今後の指針にもなるかと思います。非常に有意義な質問、有難うございます。

 

私も全ての手技を知っているわけではありませんので、これとこれは良き組み合わせで、これとこれは駄目だな組み合わせだ!ということを具体的に論ずることはできません。

 

"足揉み”は自分の出自ですから、組み合わせの妙は良く分かるのですよ、まあ、今般の質問はそれ以外の手技と理解してよろしいですね。

 

さてさて、私は手技を教えた立場として、責任を持たねばなりません。例えば、このコーナーでなされる質問に対して、決して手抜きすることなく、どんなに時間がかかっても自分の文章力の限界まで表現を工夫し、あらゆる知恵を振り絞って、答えしようとします。
(決してツラツラと流れるような速さで書いているわけではないのですよ)

 

別に自慢することでもなく当然のことです。だって、私が教えた手技を実行して疑問が出てきたんですもの。

 

当たり前の真ん中の話ですけれども、もし、私が教えた手技以外のことをやって、思うような結果が出たり出なかったり、或いは理解しかねる状況に陥ったとき、それに対しての質問をぶつけられた私はなんとお答えすれば良いのでしょうか?

 

お答えしようがないんですよ。

 

それに答えるにはにはその併用した手技を研究し、かつ実践に移し、そして自分の身体で知ったときです。でも、それはいくらなんでも無理でしょう。人生が無限にあるわけではありませんから。

 

したがいまして、足揉み以外、私の知らない手技の併用を行った瞬間に私の管轄外になると思ってください。

 

しかし誤解しないでください。駄目だと言っているのではないのです。それなりに勉強して使いたくなる手技もあるでしょうし、私の教えた手技に飽きて違うことをやってみたくなることもあるでしょう。

 

そういうことまで、制限をかけるのは自分の流儀ではありません。独裁者じゃないんですから。


ただし、前述のように併用されると機序がよく分かりませんので、疑問点やその他のことに関しての質問に答えられるなくなる、ということになるわけです。

 

逆に言うと、自分の責任で自分で解決するつもりなら、どんなものでも併用して構いません。もはや、こうなると「ええとこ取りの」別流派になるでしょうが、それを禁じているわけではありませんから、好きにやってください、と。私は一切関わりませんよ、と。別流派まで面倒みるほど私も暇ではありませんからね。

 

もう一つの質問、私自身、どういう基準で併用する手技を決めるのか?ということですが、これは自分の責任で決めるのですよ。やってみて失敗することも結構ありました。その中で成功したものや、効果が出たものを取り入れ、長い年月の中で研ぎ澄まされた手技になることありましたし、淘汰された手技もありました。

 

要するに自分で責任を取る、もしくは試行錯誤の覚悟を持ってやる、ということになります。

 

でも、これを教え子にはお薦めしません。それをやると結局、私と同じように何十年もかかるということになると思います。(その覚悟があるのならやってもいいですよ)

 

新しい技法を取り入れ、それが機能していく、もしくは治癒機序の混乱にならないかどうかを検証するには、何年もの時間がかかるものです。