C27 子供の口呼吸について

質問

3歳の幼児ですが、整体で口呼吸が治るか?と問われました。如何でしょうか?

 

回答

 

非常にデメリットが多い口呼吸なのですが、最近、子供さんに増えているそうですね。一説によると8割くらいの子供が口呼吸なんだそうです。


将来を担う子供達がそういう状況では、日本の将来が心配になってしまいます。


さて、様々な原因があるにしても、大きく2つほどの要因があるとのこと。
一つは口周りの筋肉が衰えていて閉じていられない。
なんでそんなことが起きるのか?怪訝に思うかもしれませんが、乳飲み子の頃、母乳を吸う機会が少ないと、口周りの筋肉が鍛えられないらしいのです。
そうなるとこの口周りの筋肉を鍛えるより他ありません。
なるべく歯ごたえのあるものを食べさせたり、グミなどのおやつを与えても良いかもしれませんね。整体は緩めるという部分では力を発揮しますが、鍛えるというところに重点をおいたものではないですからね。これは工夫でやってもらうしかないと思います。また、日本では評判の悪い「おしゃぶり」ですが、鼻呼吸の癖をつけさせる為に外国ではよく使われるそうです。3歳児ではどうでしょうか・・・もう遅いかな。

 

さて、もう一つの要因ですが、これは単純に鼻づまりです。
アレルギーもあるかもしれません。
整体は鼻づまり解消には役立ちますね。例えば後頭下筋群や、首の第1、第2ライン上に鼻づまりに効くポイントが点在していますし。あるいは胸鎖乳突筋にも鼻づまり解消のツボがあります。もし鼻づまりから来ているようでしたら、それらの処置で軽減されると思います。


アレルギーで鼻づまりが起きているならば、このアレルギーを軽減させなければいけません。腸内のビフィズス菌を増やすことによってアレルギーが軽減されることが分かっていますから、積極的にオリゴ糖やあるいは直接的なビフィズス菌飲料、食物を摂ることを薦めてください。
その上で按腹をやってあげれば尚、腸内環境が整えられ、アレルギー軽減に貢献できるかと思います。

 

この症例の場合、整体オンリーでOK!というものではありませんが、鼻づまり、アレルギーからきているものだとすれば、鼻呼吸への移行プロセスの中で貢献できるものと思いますよ。

 

 

C26 人口肛門の方の施術は可か?

質問

人工肛門(ストーマ)を装着されている方から、整体を受けることが出来るか質問を受けています。
腰痛で悩んでいるそうです。
人工肛門を装着されている方の施術はされた経験はありますか?人工肛門について調べてみたところ、按腹を除けば問題ないと思いますがいかがでしょうか?


回答


確かに按腹は難しいですね。
それを除けば、施術自体は大丈夫ですよ。
一度やったことがありますが、問題ありませんでした。
ただし、かなりの慎重さが要求されると思います。
例えばクライアントの態勢とか、圧の加減とか。
ここらへんはコミュニケーションをよくとって臨んでください。


その方、腰痛とのこと。
按腹が難しい以上、もし腸腰筋や下部腹直筋問題から来ている腰痛なら、即効性が望めない(時間がかかる)可能性がありますよね。ここらへんは承知してもらうべくカウンセリング等でお話したほうがよろしいでしょう。



C25 すぐに良くなると思ったのですが・・(殿部と太もも横の痛み)

60代女性 主訴:左側臀部外側から太もも外側の痛み
治療回数:4回(フット・マニを含む)

状態
15年前の事故の後遺症が5年して(10年前)出たそうです。自転車で走っているところを右側から来た自動車にぶつけられ、体の左側を地面に叩きつけられました。直後は何ともありませんでしたが、5年後に左側腰、臀部外側から太もも外側にかけて強烈な痛みが襲い、家事をする時間以外は横になっている状態でした。いろいろな整体、整骨院に通い、腰の痛みは治まりましたが、臀部以下の痛みはとれません。
質問
痛む場所が小殿筋症候群にドンピシャで、実際施術でそこが反応したのですぐに良くなると思いましたが、メンケン反応が3日ほど出るようで、患部の痛みが増すそうです。その後臀部の痛みは少しましになるようですが、身体を触った感じにも、本人の実感にも4回とも改善感がありません。現在、フットマニ(パーカッションハンマーなし)+腰方形筋、脊柱起立筋、深部脊柱起立筋の施術をしていますが、施術メニューはこのままで大丈夫でしょうか。できることが他にもありますか?


回答
ほう、興味深いですね。
4回の施術でほとんど改善感がない・・・実に興味深い。個人的にはこういうクライアントさん、施術したいなぁ。羨ましい。


おっしゃるとおり、小殿筋症候群(第1TP)でほぼ間違いないでしょう。そしてその処方箋に従って、施術することになるわけですよね。さらにフットマニで歪みを整えていくと・・・そういう意味で施術メニューに問題があるわけではありません。安心してください。


ところで、15年前にかなり身体を強打する事故に遭ったようですね。その事故が元で今回の症状が出ているのは間違いありません。事故から5年後(つまり10年前)から症状が出て、腰はなんとか治まったが、最後のこの症状が取れないということですか・・・ふ~む、なるほど。


まず、一つの原則を覚えておいてください。事故から歳月が経てば経つほど事態は厄介です。しかも、すぐにその症状が出ないという例は尚厄介です。
この方、15年も前の事故で、かつ5年間も症状が潜伏していたということになるわけしょ。これを聞いただけで厄介だな、というのが分かります。


潜伏しているということは密かに筋肉がドンドン硬くなり、そして弱くなっていっているということなんですよ。自覚症状があまりなく進んでいくわけです。


そして、あるとき、ドッカーンと現れます。そうすると治すのに難儀するわけですね。何故なら、筋肉は弱り、そしてTPは根を張ってしまっている状態なのですから。血液の再灌流によって瞑眩反応も出るでしょうし、そもそも筋肉が弱っていますので、施術押圧を届かせようとすると相当に痛いはず。で、加減してしまいますよね。するとポイントに届き切らない。だからといって無理して押圧すると、中殿筋が傷ついてしまう可能性もあります。


さてどうするか?という問題です。


今の施術のままでも時間をかければ、緩和していくと思いますが、もう小殿筋症候群だということがほぼ確定しているわけですから、もう少し短期間で寛解させたいところです。


そこで、小殿筋に届かせるような施術を工夫してください。
例えば、横向き殿部施術というのは上にある足を前に置き、やや殿部をつっぱらせるようにして施術しますよね。これによって横向きでも殿部が安定して圧が逃げず、しっかり施術できるというメリットがあるわけです。しかし、殿部が突っ張るため、中殿筋のバリアが強くなってしまいます。ので、小殿筋に届かせるにはかなりの痛みが出る場合がありますね。そこであえて基本を崩し、両足を揃え、上にある足を持ち上げながら、中殿筋、小殿筋を緩めた状態で圧をかけてみてください。突っ張りがない分、より痛みが少なく深く入るでしょう。ただ、片手で持ち上げ、片肘で圧をかけるわけですから、クライアントともどもバランスが悪くなって、施術がしづらいというデメリットがあります。ぶっつけ本番で上手くいかなかったら恥ずかしいので、モデルを使って何度か練習して臨んでください。


すでに、重点ポイントがほぼ決まっていて、症状が改善しない場合、ケースバイケースですが、あまり施術範囲や技法を広げることなく、まずポイントにしっかり届かせるという工夫をしなければならないことが多いのです。なんせ「標治を先とす」という原則がありますからね。改善感が最短で出る方法を考えるのです。


このケースの場合は小殿筋に届かせるということに尽きるでしょう。



C24 金属バットが顎に直撃

質問
高校生の男子です。フラつきと吐き気で急患で来ました。時々起きる症状で、頭痛も時々起きることがあるということです。中学の時に野球部で練習中に先輩が降ったバットが当たり、顎がずれたそうです。歯の矯正をしていたので歯科医が可能な限り治してくれたとの事。首は思ったより硬さはありませんでしたが、頭半棘筋は硬く痛がりました。首肩に加えて咬筋、外側翼突筋、 内側翼突筋を施術しました。直後ももっとフラつきが酷くなったので瞑眩の説明をして返しました。翌日、サッカーの試合だと言ってたので電話してみると、一晩寝たらスッカリ治まって試合に行けたそうです。顎バット事件が関係ある目眩でしょうか?

 

回答
それは災難というか、危ない事故でしたね。顎がズレるほど強く打撲したわけですから、なんらかの問題を抱えることになるでしょう。

 

筋肉的に言っても首回りは当然として胸鎖乳突筋、記述にある咬筋、外側翼突筋、内側翼突筋等にダメージを受け、TPが形成されたと思います。

 

それが状況によってフラつき、吐き気(めまいの症状だ)、そして時々頭痛がするということに繋がっているわけですから、ピタリと症状が一致します。


施術は問題ありません、正解だと思います。ただ胸鎖乳突筋が質問の中に含まれていませんでしたが、もし、していないのであればこれも含めたほうが良いでしょう。


瞑眩反応は出ても全然おかしくありません。
それだけの打撲を負っているわけですから、揺り戻しは確率的に高いと思いますよ。むしろ一日で済んで、翌日すっかり抜けたということですから、さすがに若いというのは素晴らしいな、と感心するくらいです。


矯正歯科医によって可能な限り顎のズレは治したといっても、頭蓋骨の微細な動きが阻害されている可能性はありますから、将来の為にも、現在の柔軟な骨のうちにクラニアル・マニで微調整をしておいたほうがよろしいかと思います。


この方、不幸中の幸いですよ。たまたま歯の矯正歯科に通っていたということと、こんな早い時期にリフレパに出会えたわけですから。
そうでなければ、めまい、ふらつき、頭痛は一生ものになっていたかもしれません。人生のどこかでメニエール症候群の診断なんぞされて・・・・


※金属バットで殴られるという経験などは誰しもあるわけではありませんが、なんらかの事故で顔面強打してしまうケースは多いと思います。よって、このQ&Aをアップする意義はあるだろうと。ということで掲載しました。

 

C23  マラソンランナーへの施術

質問
フルマラソンに出場する股関節痛のランナーから依頼が来ました。前に一度施術しましたが、梨状筋がカチカチでした。施術後は楽になったとのことですが、数日しかもたなかったそうです。今回は全身に加えてフット・マニピュレーションで下半身重点の希望です。トリガー処理の注意点や重点的にした方が良いところを教えてください。


回答
スポーツ選手、特にランナーは大腿筋膜張筋を酷使しております。ということはまずTPが形成されていると考えて間違いありません。股関節痛はおそらくこの筋からきているのでしょう。充分に緩めてあげてください。


さらに、直接、股関節に痛みを送ることはありませんが、大腿四頭筋のどこかに大きなTPが形成されいて、このTPが膝の動きを阻害して、股関節に負担をかけるというパターン(三関節原理)も多いですよ。そのことも勘案して施術を組み立ててみたら如何でしょうか。総体的にランナーはフット・マニピュレーション適応症なので、丁度良い機会ですね。


そして梨状筋がガチガチだということなのですね。その緊張があまりにもが強いと仙腸関節をズラす可能性もないわけではないので、引き続き、緩めるようにしてください。通常の殿部施術に加え、股関節アーティキュレーションを行うことによって、充分、緩むはずです。


尚、下半身ではありませんが、前鋸筋の問題がランニング中の脇腹痛の原因となる可能性がありますので、事前によく施術しておくことをお薦めします。
 

C22 クラニアルの最中、小刻みな揺れが・・・

質問
先日クラニアルの施術中(Vスプレッド)にクライアント様の頭部が小刻みに揺れ始めました。このまま施術を続けてもクライアントさんは大丈夫か?またクラニアルの効果か得られるのか?と、少し迷い動揺しながらも施術を続けました。
因みに施術後「宇宙に行ってきたように気持ち良かった~」と、クライアントさんはスッキリされた様子。ご自身の頭が小刻みに揺れていたのは覚えていないようでした。
一体、何が起きていたのでしょうか?


回答
このような現象を正確に説明することはできませんが、非常に珍しいというわけではありません(かといって頻繁にあるわけでもありませんが)。
私も何度か経験しているのですが、一種のリセットサインですね。
(リセットサインはメンケン反応という意味ではありませんよ)


クラニアル・マニの意義というのは、アンバランスな頭蓋の動き(筋肉、頭皮の歪みも含む)や脳の自律能、脳膜の微細な不均衡を是正して、結果、脳脊髄液の循環が滞りなく行われるようにすることです。


それが為されたかどうか、その前兆はどうなのか?ということが重要になりますよね。つまりリセットされるサインを感じることが重要ということです。フルフォード博士のように自分の手に頭蓋から放射してくるエネルギーを直接感じ取って判断するというのは特殊能力に近いので、中々難しいと思います。


そこで、研究家達はそのサインとしてCRIの静止点に着目しました。
CRIの動きが止まるという現象なのですが、これが為されたときに、実は頭蓋は自らの調整を為しているということを、臨床上ではありますが、突き止めたわけです。


これはエネルギーの放射を直接感じ取るよりは簡単なのですが、それでも、ある程度の経験が要りますので、習ってすぐに会得するというわけにはいかないでしょう(そもそもCRIを感じ取るのが中々骨が折れる)。


しかし、これは必ず分かってくるものです。時間の問題です。実践を続けてください。実践を続けた中で、適切なアドバイスがあると、ハタと気が付きますから。
何度かの聴講をお勧めする次第です。


前置きが長くなりました。
このように静止点としてリセットサインが現れてくるのが普通なのですが、逆にこのクライアントさんのように自ら意識することなく小刻みに揺れ、調整をしていくというタイプのサインを持つ人もいるのです。
その証拠に術後、非常にスッキリしたという感想を頂いたわけですよね。
冒頭に述べたように頻繁にあるわけではないのですが・・・
ですから、そういうことが起きているということで、今後、同じような現象に出くわしても心配する必要はありません。安心して続行してください。


ただし、リセットサインが出るということは、後のメンケン反応も出やすいということは心つもりしておいてください。



C21 逆流性食道炎の対策は?

質問

逆流性食道炎のリフレパ対策を教えて下さい。
首コリ肩こりは慢性の30歳女性の方です。

 

回答
逆流性食道炎・・・・最近増えている症状なのは、ストレス過多の状態の人が多いせいでしょうか。
噴門部の開閉は当然ながら自律神経によってコントロールされています。そこにストレスが加わると、自律神経系の乱れによって、開閉がうまくいかなくってしまいます。
この方の年齢から考えると、自律神経系の問題によって引き起こされている可能性が高いですね。(括約筋低下は考えづらい・・・)


そうすると、まずは腹腔神経叢の緊張を解くという意味で「背圧し」を入念に行うことになるでしょう。


星状神経節の緊張も決していい影響を与えませんから、首肩は納得いくまで緩めてください。もちろん、斜角筋を含みます。


便秘などがあれば、腹圧の上昇を招き、症状を憎悪させますので「按腹」が有効です。さらに年齢から考えるに、ホルモンバランスの乱れから自律神経系に悪影響を及ぼしている可能性もありますから、できれば「クラニアル・マニピュレーション」を行うと良いと思います。
按腹のよる直接的な卵巣刺激とクラニアルによる視床下部&脳下垂体の機能改善によってホルモンバランス系を解決できる可能性が高くなるはずですから、早く改善できるでしょう。

 

追記
ただし、若くしてこのような限局的かつ集中的な症状を患うということは、根強い体質問題を抱えているかもしれません。症状改善まで時間がかかるかもしれない、ということは頭に入れておいてくださいね。